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ツバメ物語・空を夢見た子ツバメ [ツバメ物語]

□□□□□ ツバメ物語 □□□□□
(空を夢見た子ツバメ)

-カラス-

ご近所の巣にいる親ツバメたちは、もう子育ての準備に入っていました。
ちょうど、半月がたったある朝のことです。
まだ薄暗い朝でした。
ツバメとすずめのやかましく鳴く声で、目が覚めました。
どうしたのでしょうか。
その時は、いったい何が起こっていたのか知る由もありませんでした。

「何を、騒いでいるんだろうね。」
「なにかしら。」

いつものようにさんぽ支度をして、サラ達と玄関を出て歩きかけた時でした。
目に入ったのはカラスでした。
とっさに、玄関の上にある巣を見上げました。
変わらない様子の巣を見て、ほっとして歩き出した時です。

「あっ、・・・」

なんと言う事でしょう、隣のお家いある巣が落下していたのです。
ツバメの白い柔らかい毛が、あたり一面に散らばっていました。
その他には、何も見当たりませんでした。
生まれたばかりの卵を、狙ったのでしょうか。
そばでは、親ツバメなのか、あたりを気にしながら飛んでいました。

2日後、さらに他のご近所様の巣まで、カラスに落とされてしまったのです。
しかも、両方の巣とも壊滅状態でした。

-子ツバメの誕生-

我が家にツバメがやって来て、一ヵ月が経った頃でした。
賑やかな声が、巣から聞こえ出しました。
親となったツバメが、一生懸命に餌を運んでいます。
私達が目で子ツバメ達を確認する事ができたのは、それからまだちょっと後の事でした。

「見た、見れた。」
「うん、いたね。」

●子ツバメ


産毛の生えた可愛い姿は、毎日見ても飽きる事はありませんでした。
最初は3羽だと思っていた子ツバメは、なんと4羽だったのです。
それから、10日もたつと体もだいぶツバメらしくなってきました。
ついには、巣からはみ出すようになっていました。

「だいぶ、大きくなったね。」
「うん、体がツバメの色になったね。」

飛び立つのも、もうすぐなのでしょうか。
毎日見上げるたびに、子ツバメたちは成長しています。

「飛ぶ練習をしているのかなぁ。」
「まだ、飛んでいないみたいよ。」
「巣が小さいのかな、せまそうだね。」

●成長した子ツバメ


「以前のツバメも、子ツバメ達が重なっていたけれど、大丈夫なのかな。」
「みんな無事に、巣立ってくれるといいよね。」
「そうだね。」

そんな会話の毎日でした。

しかし、数日後カラスがこの巣を狙って襲ったのです。

---つづく---



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